Column

刑事事件における身柄の早期解放の重要性

自由を奪われることの重い現実

刑事事件で逮捕・勾留された場合、被疑者や被告人の身柄が拘束されることで、仕事や家庭、社会生活に深刻な影響を及ぼします。とりわけ勾留が長引くと、職場を解雇されたり、家族との関係が悪化したりと、裁判の結果が出る前に「社会的制裁」を受けてしまうことも少なくありません。

公正な裁判と社会復帰への道

そのため、身柄の早期解放を図ることは、本人の社会復帰のためにも、また公正な裁判を受ける権利を確保するためにも極めて重要です。たとえば、弁護人が迅速に活動し、勾留理由開示請求や準抗告、保釈請求などの手続きを適切に行うことで、身柄解放が実現する可能性が高まります。

加えて、被疑者・被告人が身柄を解放されることで、裁判準備に十分な時間と自由を持つことができ、弁護活動もより効果的になります。刑事事件では「無罪推定の原則」が保障されているにもかかわらず、実務上は長期拘束が常態化している面もあり、早期の身柄解放は人権の観点からも強く求められます。

未来を守るための最初の一歩

自由を奪われたままでは、本来の防御権を十分に行使できないリスクがあります。だからこそ、身柄の早期解放こそが、刑事弁護の出発点であり、依頼者の人生を守る第一歩となるのです。