労災事故が起きたとき、「誰が労災申請をするのか」は意外と誤解されがちなポイントです。 実務でも、「会社がやるもの」「会社が認めないとできない」といった理解が根強く見られます。
結論から言えば、労災申請は原則として労働者本人が行う手続きです。
Column
労災事故が起きたとき、「誰が労災申請をするのか」は意外と誤解されがちなポイントです。 実務でも、「会社がやるもの」「会社が認めないとできない」といった理解が根強く見られます。
結論から言えば、労災申請は原則として労働者本人が行う手続きです。
労災保険は、労働者を保護するための無過失補償制度です。 そのため、労災給付を受ける権利は労働者本人に直接帰属し、申請も本人が行うことが制度上想定されています。
会社の同意や「労災にしてよい」という判断は、法的には申請要件ではありません。
最も多いのは、会社が書類作成や提出を実務的にサポートするケースです。 この場合でも、申請名義自体は労働者本人となります。
企業側にとっても、労災を適切に処理することは労務管理上の通常業務と位置付けられています。
会社が消極的、あるいは非協力的な場合には、労働者本人が単独で申請することも珍しくありません。 事業主証明が得られなくても、労災申請そのものは可能です。
医療従事者や専門職など、個人で判断して動くケースではこの形が多く見られます。
労災申請は社会保険労務士の専門分野でもあり、実務処理を社労士が担うこともあります。 書類作成・提出を社労士が行い、名義は本人とする形です。
労災申請自体は、通常、弁護士の業務範囲ではありません。
弁護士が関与するのは、次のようなフェーズが中心です。
1.「会社が労災にしてくれないと申請できない」
→ そのようなことはありません。
2.「労災を使うと会社に直接お金の負担がかかる」
→ 原則として会社に直接の給付負担はありません。
3.「労災と損害賠償はどちらか一方しかできない」
→ 並行して検討されることが一般的です。
労災申請について整理すると、以下のような役割分担になります。
「誰がやるのか」で立ち止まってしまうケースは少なくありませんが、労災は本来、労働者を守るための制度です。 形式的な遠慮や誤解で利用を断念する必要はありません。