「私人逮捕」という言葉が話題になることがありますが、誰でも自由に人を捕まえてよい制度ではありません。
実際には、要件を一つでも外すと、逮捕した側が刑事責任を問われる危険な行為でもあります。
本稿では、刑事訴訟法に基づき、私人が行える「現行犯逮捕」の要件を整理します。
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「私人逮捕」という言葉が話題になることがありますが、誰でも自由に人を捕まえてよい制度ではありません。
実際には、要件を一つでも外すと、逮捕した側が刑事責任を問われる危険な行為でもあります。
本稿では、刑事訴訟法に基づき、私人が行える「現行犯逮捕」の要件を整理します。
私人に逮捕権が認められるのは、現行犯(および準現行犯)に限られます。
現行犯とは
いわゆる「後から防犯カメラで分かった」「あとで話を聞いて犯人だと知った」というケースは、現行犯には当たりません。
次のような事情が必要です。
「怪しい」「おかしいと思った」だけでは足りません。
条文上は明記されていませんが、実務では違法性阻却の判断要素として重視されます。
必要性が認められやすい例
必要性が否定されやすい例
私人が使える実力行使は、逃走・危険防止のために必要最小限に限られます。
許容される範囲
違法になりやすい行為
これらは逮捕監禁罪・暴行罪等に転化する危険があります。
私人が現行犯逮捕をした場合、直ちに検察官または司法警察員に引き渡さなければなりません。
この「引渡し遅延」が原因で、正当だったはずの逮捕が違法になる例は少なくありません。
私人による現行犯逮捕が適法となるためには、
すべてを満たす必要があります。
私人逮捕は「やってもいい制度」ではなく、やむを得ない緊急対応としてのみ許される例外です。
これが最も安全な対応です。