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自由診療の紹介料は違法?(例外的に認められる場合) — 厚生労働省が示した考え方についてわかりやすく解説します —

「医療機関に患者さんを紹介すると紹介料が発生することがあるが、これは法律的に大丈夫なのか?」

医療現場や企業の方から、このようなご相談をいただくことがあります。

結論から言うと、すべての紹介料が直ちに違法というわけではありません。

厚生労働省は令和2年、ある一定の条件で「自由診療の紹介料は療養担当規則の規制対象には当たらない」と整理しています。

自由診療であれば紹介料が直ちに違法とはいえない

厚労省の見解では、以下のような完全に自由診療で完結するケースであれば、紹介料の授受は必ずしも法律違反には当たらないとされています。

  • 患者さんが保険診療を受ける可能性がない
  • 医療機関も保険請求を一切行わない

ただし、この考え方が示されたのは、健康診断やワクチン接種など、比較的限定された自由診療の場面を前提としたものであり、どんな自由診療でも同じ扱いになるわけではありません。

自由診療でも問題になり得るケース

以下のような場合には、医師法・医療法などとの関係で問題とされる可能性があります。

  • 名目は自由診療でも、実際には保険診療につながる場合
  • 説明や広告の内容によって、患者さんが保険診療と誤解してしまう可能性がある場合
  • 紹介料が「医療行為の誘引」だと評価される場合

医療に関する紹介料の問題は、名目よりも実態が重視されます。

紹介料を設定する際に押さえておきたい3つのポイント

  1. 対象が完全に自由診療であることを明確にしておくこと
  2. 患者さんへ「保険診療ではない」ことを丁寧に説明すること
  3. 紹介料の金額・根拠・契約内容を文書で整理しておくこと

これらを整えておくことで、後からトラブルになるリスクを大きく減らすことができます。

実態を重視した制度設計を

自由診療に限っていえば、紹介料の授受が必ずしも違法とはいえないというのが厚労省の整理です。

ただし、健康診断やワクチン接種を想定した回答である点、実態次第では法令抵触となり得る点には注意が必要です。

医療の紹介料は、医療法や医師法、広告規制など複数の法律が関係します。

実際に制度を設計する際には、事前に内容を精査し、患者さんへの説明や契約書の作り方も含めて慎重に進めることが大切です。