──営業・店長・エンジニア・その他スタッフの視点から
企業の労務管理やメンタルヘルス対応を考えるとき、ストレスチェックや勤怠実績といった「数値化された情報」に頼りがちです。しかし、実際の不調や職場のひずみは、もっと「見えにくいところ」に潜んでいます。とくに、職種ごとの特性を踏まえた視点でのヒアリングや対応が欠かせません。
Column
企業の労務管理やメンタルヘルス対応を考えるとき、ストレスチェックや勤怠実績といった「数値化された情報」に頼りがちです。しかし、実際の不調や職場のひずみは、もっと「見えにくいところ」に潜んでいます。とくに、職種ごとの特性を踏まえた視点でのヒアリングや対応が欠かせません。
営業担当者は、成果を出すことが前提とされ、表向きには元気に立ち回ることが求められます。しかしその裏で、クレーム対応・数字プレッシャー・顧客との心理的距離感に悩むケースは少なくありません。
店舗の責任者である店長は、売上・人員・顧客・本社との間に立つ多重責任者です。「孤独な管理職」として、精神的に追い込まれるケースも少なくありません。
エンジニアは自発的に課題に向き合う一方、納期・障害対応・技術的孤立といったストレスを抱えやすい職種です。表面的には「働けている」ように見えても、深刻な疲弊が進行していることもあります。
接客・調理・清掃・事務など、いわゆる”その他スタッフ”とされる職種の中にも、職場環境への不満や精神的負担を抱える方はいます。特にパート・アルバイトなど非正規層では、意見を出しにくい空気や立場の弱さが背景にあります。
メンタル不調や業務上のストレスは、決して「本人の問題」だけではありません。組織として”気づく力”を持ち、”拾い上げる仕組み”を持っているかどうかが、企業の健全性を大きく左右します。
職種ごとの業務特性とリスクを正しく理解し、現場の声を制度設計や運用に反映していくことが、真の安全衛生管理の第一歩です。