「弁護士費用はいくらかかるのか」――依頼を検討される際、多くの方が最初に気にされるのがこの点です。特に医療機関・医師の方々からのご相談では、「保険適用の有無」や「費用見積もりの根拠」について、具体的なご質問をいただくことが少なくありません。
Column
弁護士報酬の考え方と「日弁連報酬基準」の現状について
日弁連の報酬基準は廃止されたが、実務ではいまも重要な目安に
かつて日本弁護士連合会(日弁連)が定めていた「弁護士報酬基準」は、2004年の法改正により廃止され、弁護士費用は自由化されました。
しかしながら、実際の運用現場では、現在でも多くの法律事務所や保険会社がこの旧基準を参考に報酬を定めているのが実情です。
特に医師賠償責任保険などでは、費用認定にあたって「日弁連基準に照らして妥当かどうか」が一つの判断材料として扱われることが多くあります。
保険を使うか否かで判断が分かれる場面も
医療過誤やクレーム対応などで、医師賠償責任保険を利用できるかどうかは、事件処理の初期段階で判断する必要があります。
例えば「免責対象」となる事案や、保険を使わず迅速に処理した方が良いと考えられるケースでは、費用感とスピード感の両面から、報酬の算定方法にも工夫が求められます。
タイムチャージ方式との比較と当事務所の方針
当事務所では、依頼者にとって不意打ちのような費用発生や、後出しの精算が生じないようにすることを大切にしています。そのため、
- 日弁連基準に準じた定額方式
- 工程数に基づいたタイムチャージ方式いずれかを初期の段階で明示し、合意を得たうえで進行いたします。
案件の複雑性や必要な工程数によっては、タイムチャージの方が合理的かつ依頼者に有利となることもありますので、具体的なご事情を伺いながら、柔軟にご提案いたします。
■ 弁護士報酬に関する実務的な留意点
- 「報酬自由化」=「何でも自由に請求できる」ではありません。
- 依頼者との信頼関係には、明確な見積りと説明責任が不可欠です。
- 特に医師賠償責任保険を利用する場合は、基準に則った請求でないと、保険金支払いが認められないリスクがあります。
MIA法律事務所では、医師・医療法人の立場に立った柔軟かつ透明性の高い費用設計を心がけております。
報酬体系や保険適用の可否など、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。