「また万引きをしてしまい、逮捕されました。前にも同じことで執行猶予を受けており、今度こそ刑務所に行くことになるのではないかと不安です。家族も心配していますが、どうすればいいのか分かりません……」
このようなご相談を、依頼者のご家族からいただきました。依頼者は30代の女性で、仕事もしており、生活は安定していましたが、なぜか何度も万引きを繰り返してしまう状況でした。そこで、精神的な問題の可能性も考慮すべきと判断しました。
Case Study
「また万引きをしてしまい、逮捕されました。前にも同じことで執行猶予を受けており、今度こそ刑務所に行くことになるのではないかと不安です。家族も心配していますが、どうすればいいのか分かりません……」
このようなご相談を、依頼者のご家族からいただきました。依頼者は30代の女性で、仕事もしており、生活は安定していましたが、なぜか何度も万引きを繰り返してしまう状況でした。そこで、精神的な問題の可能性も考慮すべきと判断しました。
すぐに警察署で依頼者と面会し、状況を確認。ご家族の協力を得て、裁判所に勾留を認めないよう申し立てたところ、勾留は却下されました。さらに保釈の申請も行い、数日以内に依頼者の身柄を解放することができました。
その後、専門の精神科医に診てもらった結果、依頼者は「窃盗症(クレプトマニア)」と診断されました。これは、やめたくても万引きをやめられないという精神疾患の一種です。
依頼者にはすぐに通院を始めてもらい、家族による見守り体制や、再犯防止のためのプログラムにも参加してもらうようにしました。
窃盗症は病気ではありますが、「法律を破ったことに変わりはない」と判断されることもあります。そのため、ただ「病気だから仕方ない」と主張するのではなく、しっかりと治療を受け、再犯を防ぐ体制が整っていることを具体的に示す必要があります。
今回は、医師の診断書や治療計画を提出し、さらに依頼者の仕事の継続や家族の支えがあることも資料として提出しました。これらをもとに、裁判所に「刑務所に行かなくても社会の中で更生できる」と訴えました。
裁判所は、以前にも同じ罪を犯していたことを重く見ながらも、今回の治療や支援体制を高く評価し、再び執行猶予付きの判決を言い渡しました。
依頼者は現在も医療機関に通いながら、家族の支えのもとで仕事を続けています。
今回のようなケースでは、早い段階での身柄解放や専門医との連携、家族の協力がとても重要になります。ただ処罰するのではなく、再発を防ぎ、社会の中でやり直せるように支援することが、今の刑事弁護に求められていると感じています。