Column

「自分を律する」強さと、誠実さの価値

ゴルフのキャメロン・ヤング選手のプレーに、心から感動しました。

優勝争いという極限の状態にありながら、真っ先に自己申告したそのフェアプレー。

結果として彼はその誠実さを保ったまま優勝を手にしましたが、あの潔い姿勢こそが、真のアスリート、そして真のプロフェッショナルだと感じます。

このエピソードに触れ、私は改めて自分の使命を深く再認識しました。 私の仕事は、医療安全、つまり「病院の医療の安全を守ること」です。

医療現場で求められる「誠実さ」とは何か

日々現場で感じるのは、医療ミスやトラブルが起きた際の「誠実さ」の難しさと重要性です。

よく患者さん側の弁護士さんから、「明らかに病院側に落ち度があるケースでも、病院側の弁護士がそれを認めようとしない」という相談をいただきます。

客観的に見て、病院側に非があることが明白なケースも少なくありません。

私は以前の著書でも繰り返し述べていますが、本来あるべき姿はこうです。

「病院側が自ら事実を認め、保険会社と協議し、適切な賠償を速やかに提示すること」

ミスを隠したり、無理に争ったりすることではありません。

たとえ事故が起きてしまったとしても、適切な対応を尽くすことで、患者さんやご家族が引き続きその病院を信頼し、通い続けることができる体制を作ること。これこそが医療安全の本質です。

患者を守る体制をつくるために、弁護士ができること

そのためには、病院側の弁護士にも高い医療リテラシーが求められます。

病院から信頼され、保険会社を説得し、代理人として適切な解決策を提案する。それができてこそ、真の「病院側弁護士」ではないでしょうか。

弁護士による対応が、患者さんをさらに傷つける「二次被害」になっては絶対にいけません。

患者さんに安心して医療を受けてもらうために、この体制を必ず改善していくこと。それが私の使命です。

キャメロン・ヤングの姿勢は、私に勇気を与えてくれました。

「正しいことを、正しく行う」 その難しさを知るからこそ、私はこの信念を貫き通したいと思います。

 


※参考:本記事で触れたキャメロン・ヤング選手のエピソードについてはこちらをご覧ください。