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交通事故の相談で最初に準備しておきたいこと

交通事故に遭ったとき、多くの方は「とにかく保険会社に連絡すれば大丈夫」と考えがちです。確かに保険会社への連絡は重要ですが、被害の全体像を正しく把握し、将来的な補償をしっかりと受けるためには、弁護士への相談時点での準備がとても重要になります。

「何から手をつけたらいいのかわからない」「どんな資料が必要なのか不安」という方も多いでしょう。そこで今回は、弁護士に相談する際に「最初に確認しておくべきポイント」と「用意していただくと役立つ資料」について、わかりやすくお伝えします。

弁護士相談前に整理しておきたい5つのポイント

1.事故状況を整理しておく

まずは事故の状況をしっかりと記録し、整理しておくことが大切です。「いつ、どこで、どのような状況で事故が起きたのか」を簡潔にメモしておきましょう。

交差点での右折時なのか、直進中の追突なのかといった事故の態様、目撃者の有無、ドライブレコーダーの映像があるかどうかなど、事故直後の記録が後の過失割合の判断に大きく影響します。記憶が鮮明なうちに、できる限り詳しく状況を記録しておくことをお勧めします。

 

2.保険証券の確認

ご自身が加入されている自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されているかどうかの確認は、非常に重要なポイントです。この特約が適用されれば、弁護士費用を実質的に自己負担なしで依頼できる場合が多いからです。

保険証券を手元に準備して、弁護士費用特約の有無を確認してみてください。「そんな特約があったなんて知らなかった」という方も少なくありませんが、せっかくの保障を活用しない手はありません。

3.治療・通院の資料

診断書や治療費の領収書、通院記録などは、損害賠償請求を進める上で欠かせない基礎資料となります。病院での治療費だけでなく、薬代や通院のための交通費など、一見「細かい支出」に思えるものも、積み重なれば大きな金額になります。

「こんな小さな費用まで請求していいのかな」と遠慮される方もいらっしゃいますが、交通事故による損害はすべて適切に補償されるべきものです。関連する支出はすべて記録し、領収書を保管しておきましょう。

4.損害に関する証拠

休業損害を主張する場合には、給与明細書や源泉徴収票が必要になります。物損事故の場合は、車検証や修理見積書を用意してください。

また、事故現場の写真や車両の損傷状況、ドライブレコーダーの映像があると、示談交渉を進める上で非常に有力な証拠となります。スマートフォンで撮影した写真でも十分に有効な証拠になりますので、事故後に可能であれば現場の状況を記録しておくことをお勧めします。

5.面談時に大切なこと

初回の法律相談では、事故の態様、治療の見通し、保険の適用範囲を整理し、示談交渉や訴訟など今後の進め方について複数の選択肢をご提示します。

「すべての資料を完璧に揃えてからでないと相談できない」と思われる必要はありません。現在お手元にある資料で構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。事前に準備していただける範囲で資料をお持ちいただくことで、より具体的で実践的なアドバイスをご提供できます。

適切なサポートで、事故の不安を安心に変えませんか

交通事故は突然の出来事であり、被害に遭われた方にとっては身体的にも精神的にも大きな負担となります。だからこそ、早い段階で専門家に相談し、必要な資料を整理しておくことが、将来の安心へとつながります。

一人で抱え込まず、「これくらいの事故で弁護士に相談していいのだろうか」と遠慮される必要もありません。適切なサポートを受けることで、事故による負担を最小限に抑え、本来受けるべき補償をしっかりと確保することができます。

まずは一歩を踏み出して、お気軽にご相談ください。専門家があなたの不安を安心に変えるお手伝いをいたします。