クリニック経営を続けていると、勤務医の独立開業という問題に直面することがあります。
多くの場合、院長としては「独立を応援したい」という気持ちを持っています。
実際、これまで一緒に診療してきた仲間が新たな挑戦をすることは喜ばしいことでもあります。しかし、開業計画の内容によっては、経営者として複雑な思いを抱くこともあります。
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クリニック経営を続けていると、勤務医の独立開業という問題に直面することがあります。
多くの場合、院長としては「独立を応援したい」という気持ちを持っています。
実際、これまで一緒に診療してきた仲間が新たな挑戦をすることは喜ばしいことでもあります。しかし、開業計画の内容によっては、経営者として複雑な思いを抱くこともあります。
例えば、自院と診療内容が近いクリニックが近隣に開設される場合です。医療は一般的な商売とは異なりますが、それでも地域医療の中では患者層や紹介元医療機関、採用市場などが重なります。そのため、院長として競合関係を意識すること自体は決して不自然なことではありません。
勤務医の独立を止めたり、早期退職を求めたりすることはできるのでしょうか。
実際には簡単ではありません。日本では職業選択の自由が保障されており、勤務医が退職後に独立開業することは原則として自由です。
また、競業避止義務について明確な合意がない限り、「近くで開業する」という理由だけで制限することは困難です。
さらに、雇用契約が継続している段階では、将来の独立開業のみを理由として一方的に雇用契約を終了させることにも慎重な判断が求められます。
もっとも、法的な問題と経営上の問題は別です。
経営者としては、次のような点を考えなければなりません。
これらを踏まえた上で実務上は、「解雇できるか」ではなく、「双方にとって円満な着地点をどのように作るか」という視点が重要になります。
独立を目指す勤務医にも事情がありますし、クリニック側にも守るべき経営があります。
感情論になってしまうと紛争になりやすくなりますが、冷静に協議を行えば、勤務期間や引継ぎ方法について双方が納得できる解決に至ることも少なくありません。
クリニック経営においては、人材の採用以上に、人材の送り出し方が重要になることがあります。
法的な正しさだけではなく、地域医療や今後の人間関係も見据えながら対応することが、結果として最も良い解決につながるのではないでしょうか。