Case Study

総合病院勤務の歯科医師に対する継続的ハラスメント
— 労働審判第2回期日で早期解決、2,000万円弱の解決金を獲得 —

背景とご依頼内容

ご相談者(歯科医師・仮名)は、総合病院の歯科口腔外科に勤務していた医師で、日常業務の中で複数の職員からの不当な言動に悩まされていました。
医療判断への過干渉、同僚間での陰口、上司からの退職を示唆するような面談の繰り返しなど、精神的に追い詰められる状況が続いたことで、やむなく当事務所にご相談いただきました。

職場側は、本人の「対応が悪い」「協調性がない」などと記した文書を多数作成し、事実上の排除を意図した動きを進めており、職場内での孤立感も極限に達していました。

当事務所の対応

当職は、反論書面を通じて以下の点を主張しました。

  1.  名誉を傷つける一方的記載により精神的に追い詰められた実態
  2.  医療判断に対する他職種からの継続的な干渉
  3. 「退職を勧める」ような面談の繰り返しによる心理的圧迫
  4. 「報告書」などの内部文書自体がパワハラの証拠となる構造を有していたこと

厚生労働省のパワハラ定義(三要件)にも照らし、優越的地位の濫用・業務の適正範囲を超える干渉・就業環境の悪化という全てに明確に該当すると整理しました。

和解成立と解決金の詳細

申立人ご本人が早期解決を強く希望されたこともあり、労働審判の第2回期日にて以下の内容で和解が成立しました。

  • 歯科医師としての名誉の回復
  • 2,000万円弱の解決金の獲得
  • 今後の接触回避や関係解消に関する合意

申立人は、精神的安定を取り戻し、新たな環境にて歯科医師としてのキャリアを再出発されています。

医師・歯科医師の皆様へ

医療現場では、立場の違いや専門職種間の相互理解の欠如から、歯科医師が不当に扱われるケースも少なくありません。

本件では、院内で作成された「報告書」や面談記録が、かえってパワハラの構造を示す“動かぬ証拠”となりました。

ハラスメントの被害者であっても、孤立感の中で「自分が悪いのでは」と思い詰めてしまうことがあります。まずはお気軽にご相談ください。医師・歯科医師の労働問題に精通した弁護士が、的確な法的支援を提供します。

 

※ご相談内容はプライバシー保護のため一部改変しています。